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ヒダカノセンセイ

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センセイ.04

大きい道路と小さい道路とヘルニア。

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こんにちは。そしてこんばんは。
ひきつづき、日高病院の毛深い方の先生、日高正嗣です。

今日は椎間板ヘルニアにについて、もっとくわしく、ワタシの剛毛をかき分けるようにズームアップして説明していきましょう。
この仕組みを覚えておけば、急に原因不明の痛みがきて「椎間板ヘルニアかも…」って時もなんとなく強くなれる気がするって話です。
大事な自分の体です。覚えておいて損はありませんよ?

ということで、今回のテーマは『脊髄』。いわゆる大きな神経の話です。

『脊髄』は人間の動き、感覚、感情をつかさどる神経のこと。
全身に指令を送る神経系統の中心的なはたらきをしています。それは束状になって、背骨の中をトンネルのように通っています。すごく大事な神経だから、背骨に守られている。というわけです。



●【脊髄】と【神経根】の関係


この神経の集まりは『中枢神経』と呼ばれ、脳とまっすぐ繋がっています。
司令所(脳)に向かって、大きな幹線道路が体の中にある。と考えればわかりやすいでしょう。
その道路を車(情報)がを伝える電気信号となって、筋肉、皮膚、内臓、その他諸々に命令を伝えるために行ったり来たりしている。まずはそんな様子を想像してください。




そこからさらに『神経根』と呼ばれる小さな道路が、首の根元から左右に8本ずつ、計16本枝分かれしています。
幹線道路から分かれる2車線くらいの道路みたいな感じですね。



※ちなみに、手足などの体の隅々に命令を伝える神経は『末梢神経』といいます。家の近くの細い道。みたいなものです。



ここまでは『神経の仕組み』の話。

『脳:司令所』→『脊髄:幹線道路』→『神経根:大きな道路』と例えた場合、司令所につながる大きな道路で事故が起きたら、街全体の交通が渋滞するのはわかりやすいですよね。
だけどヘルニアの場合、痛かったり、しびれる場所はなんともない(ケガをしていない)のに、ピンポイントで調子が悪くなる。なぜなのか。
おさらいしてみましょう。

前回の日記で、『出ちゃったヘルニアが神経を押さえてしまうから痛くなる』と説明しましたが、その『押さえる場所』によって痛みの出方や場所が変わってくるからなんです。



一般的に大体こんな感じで違いが出ます。

●ヘルニアが『脊髄(幹線道路)』を押さえた場合
左右両方に症状が出ます。 コップが持てない、ボタンがかけづらい、おはしがうまく使えなくなる、など…。重症化すると歩くことが困難になることも。
左右同時に影響が出るのは脊髄が中心を通っていためです。

●ヘルニアが『神経根(ちょっと大きな道路)』を押さえた場合
左右どちらかの手足などにいたみやしびれが症状が出ます。これは神経根が左右に分かれているからです。


初めの対応が大事なのはヘルニアも同じ。
最初はちょっとした違和感かもしれませんが、痛みの出方によって治療の方法が変わることもあります。
こんな症状が出たら病院に行ってみることをオススメします。



さて、例え話に戻って。
みなさん、自宅周辺が、突然渋滞したり停電したらどう思います?
家の前で事故などあれば「あ〜これが原因か。事態がおさまるまで待とう」なんて安心できますが、
ヘルニアは原因がすぐわからないから不安になりますよね?
でも、原因がわかれば、ちょっと大丈夫な気がしませんか?

まだ怖いという方も大丈夫。安心してください。
日高病院では、画像診断だけでなく、しっかり症状を聞いて、どこが本当に悪いのか、原因を特定し治療します。
何度も言いますが『すぐに手術だ!』なんてことはありません。
「上を向くとココが痛い」「腰を曲げるとココが痛い」みたいに、痛みの内容を感じたまま私たちに話してください。それが私たちプロの仕事ですから。

さて、脊椎の話はこの辺で。
次は、肩か骨折の話かなーと思ってますが、この病院には毛深くない先生もいますので、そちらの話も聞いてみますね。


今回のセンセイ
  • 日高 正嗣

    (ヒダカ マサツグ)

    ●福岡大学医学部卒業
    ●福岡大学整形外科学教室出身

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