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ヒダカノセンセイ

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センセイ.09

肩とスターウォーズ 1

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秋なのにまだ暑いと思ってたら、いきなりの冬!
今年の秋はどこやら。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
なんて聞く必要もなく寒い、寒すぎる。
ということで寒くなると気になってくるのが肩関係の痛み。

実は、肩関節は人間の体の中で最も多い靭帯、筋肉と骨の集合体。
4つの筋腱と3つの骨、軟骨が複雑にからみあって、機能的な仕組みになっていて、私のようにマジメに働く整形外科医にとっては非常に興味をそそる部位です。
そんな肩関節、ちょっと傷つくだけで、痛くなったり動きにくくなったりするわけで、医者としてはついつい暑苦しい説明をしたくなるのですが、そこはそれ、日本中の外科医ブログの中で1番ワケがわからないと自負する当ブログ。難しい説明はやめておきましょう。

ということで今回は…
最もフィジカルで、最もメカニカルで、最もアナトミカルな肩関節について、最も不真面目にご紹介させていただきます。

テーマは…
●肩関節周囲炎(ご存知、五十肩)
●肩関節拘縮(凍結肩…五十肩より痛いやつ)
●肩関節脱臼(肩が外れるやつ)
例えは、皆様ご存知の映画『スターウォーズ』。
タイトルは「ダークサイドの誘い」。
長き戦乱に匹敵する肩関節の疾患。肩の銀河系を守るため、ジェダイたち(読者の皆さま)の参考になればと。
壮大な三部作です。


エピソード1:『五十肩の目覚め』

アナキン・スカイウォーカーの「恋」という感情が彼をダークサイドへと誘ったように、物語は日常生活の小さな違和感から始まります。
つまり、肩に少し違和感がある――これが全ての始まり。



1.炎症:忍び寄るダークフォース

長時間のデスクワーク、無理なスポーツ、あるいは寝相の悪さ…。五十肩の原因はアナキンの恋愛並みに複雑。
ちょっとした負荷が積み重なって炎症という形でダークフォースが肩に忍び寄ります。
それは、まるで表と裏の顔を巧みに使い分けるパルパティーン議長のダークフォース。
すこしずつ感じる違和感に「少し疲れただけだろう」と油断していると、フォース(肩)のバランスはどんどん崩れていきます。だけどこの時点で治療を始めれば大丈夫。あなたの肩は正常なフォースに戻れます。
まるでオビ=ワンがアナキンを救ったように。



2.治療:ジェダイの介入

ジェダイ(医師)はまさにオビ=ワン・ケノービ。適切な治療をして、炎症を早期に鎮めることが重要です。
抗炎症剤や痛み止めの処方はもちろん、地道なリハビリがダークフォースの進行を食い止めます。


3.トレーニング:ジェダイ(患者)の修行

「フォースを使いこなすにはバランスが大事だ」とヨーダは言いました。
肩も同じです。ジェダイ(医師)はあくまでガイド役。
ジェダイの指導のもと、自主的にもフォース訓練を始めましょう。ストレッチでバランスを取り戻し、アイシングで熱を冷ます。
わかりやすく言うと「肩は動かしてなんぼ」やはり地道なリハビリが1番。――これが銀河の掟です。
ルークだってヨーダに弟子入りし、修行を積んだからこそダークフォースに飲み込まれなかったでしょう?
まずは違和感を感じたら病院へGO!です。



●まとめ

五十肩の怖さは最初はちょっとした痛みからはじまること。
「たいしたことない」と放っておいてはいけません。なぜならそのままにしておくと動かなくなっていきます。これが肩関節拘縮(凍結肩)。
五十肩と凍結肩は同時上映してもいいぐらいのセットのエピソードと言えます。

というわけで、エピソード2(凍結肩)は次回。
私はエピソード2を見なおして、次のエピソード2の監督に備えることとしましょう。
では「フォースとともに」。




今回のセンセイ
  • 日高 正嗣

    (ヒダカ マサツグ)

    ●福岡大学医学部卒業
    ●福岡大学整形外科学教室出身

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