はい!前段終わり!ということで、いよいよ『肩関節最終章』!
今回は『肩関節脱臼』(肩が外れるやつ)の話です。
以前説明した通り、肩関節は前後・内側・外側の筋肉に包まれていて、そして『関節包』という袋、たくさんの腱・腱板で構成されており、人体の様々な関節の中でも、まるで、中東のような緊張感と複雑な関係性で均衡が保たれています。
肩甲骨はご存知ですよね。そう背中に触るとわかる三角形のあれです。
肩甲骨の端っこには洋ナシみたいな形の『骨の受け皿』があって、腕の骨についてる『球みたいな部分(骨の落書する時の端っこのふくらんでるやつです)』がのっかっている状態。
普段は、この肩関節は、『筋肉、腱、靭帯』が絶妙にバランスをとっていい感じになっているんですが、そのバランスがひとつでも崩れると…ガクっ!と『脱臼』です。
で、脱臼にも『T・P・O』がありまして…。
はじめてなのか。なんどもやっているのか。くせになっている状態なのか。
前方へ脱臼しているのか。後方へ脱臼しているのか。
たとえば、激しいスポーツした時…、野球なのか、柔道なのか、ラグビーなのか、プロレスなのか…。
こんな感じで、もう無限です。ブッダの修行みたいです。
だから、医療の現場ではその『T・P・O』をよく聞いて、その後画像検査、そして脱臼整復の流れで診察・治療していきます。
『脱臼整復で元に戻れば終わり』というわけにはいきません。
通常の生活を送っている人であればそれでもいいかもしれませんが、アスリートみたいな人にとってはこれが大変!ちゃんとパフォーマンスを発揮するには、原因はとても大事。
そんな時は、MRIで損傷の場所を見極めて、損傷の程度を『評価(気持ちや状態をわかりやすく数値化すること)』してから治療します。(造影検査だとなおいいです)
↑もう一度図を載せます。
肩甲骨についている受け皿みたいには、『骨の球みたいな部分』が外れないよう『関節唇』という軟骨が囲んで外れにくいよう、車のバンパーみたいに保険をかけているんですが、このバンパーが壊れると『筋肉、腱、靭帯』のバランスのくずれたところから『骨の球みたいな部分』が外れてしまう。というわけです。
なんて、なるんですが、そんな簡単にはいきません。
『関節唇』がなおったからといって『筋肉、腱、靭帯』のバランスがすぐに元通りになるわけではないんです。
例えると、ダムが決壊した穴を埋めるような感じ。穴を埋める時に使うコンクリートには固まる時間が必要ですよね?
そんな感じで、いったん元の形には戻っても、筋肉などが定着するには時間がかかります。
「靭帯損傷で長い試合欠場」なんてニュースでよくみますが、アスリートの治療に時間がかかるのはそういうわけ。脱臼の末に、記録、結果を残している選手はまさに神ですね。
今回、かなりはしょった脱臼の説明となってしまいましたが、はしょってない説明はまた今度。
じゃ、これから『罵倒村』と『大脱出』見ないといけないのでこの辺で。
(ヒダカ マサツグ)
●福岡大学医学部卒業
●福岡大学整形外科学教室出身